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介護看護ネットワーク 20101226

 メルボルンにも日本人の高齢者を対象にしたソーシャルワーカー・ケアーマネージャーの方が、数名いらっしゃいます。

在宅で、どのようなサービスが受けられるか、どのようにしたらいいのかなど、みなさまの関心事ではないでしょうか。

 こんにちは。メルボルン在住歴11年の社会福祉士/ソーシャルワーカー、現在はSouth Eastern Region Migrant Recourse Centreという非営利団体にて高齢者地域ケアサービスのケアマネージャーをしているゆみこパウニーと申します。

 オーストラリアにおける高齢者ケアにおきましてまず一番にいえますのが、在宅で生活を続けるのか施設に入るのかは、個人の選択だということです。 いいかえますと、高齢者が自分の家での生活を続けたいと願う場合には、それを支援する地域でのケアが充実していることが、オーストラリアの高齢者ケアの特 徴です。

 しかし、実際に在宅での生活を維持するとなると、日常的なレベルで様々な困難を克復しなければならない場合もあります。医療的あるいは物理的な理 由で介護サービスが必要となる場合もあるでしょうし、異国の地で頼る家族もなく暮らす人にとっては孤立対策などの社会的な支援が最も重要な問題であるかも しれません。また、言葉や文化の違う国で暮らしているため、情報が入りにくかったり、必要なサービスにアクセスすることが難しい場合も多々あるように思い ます。

 在宅での生活支援を目的とするコミュニティ-ケア-パッケージは、個人のニーズに従って作られたケア計画にそってサービスが提供されるようにデザ インされており、個々のクライエントに専属のケアマネージャーがつきます。ケアマネージャーは、クライエントと相談しながらケア計画を作り、それに従って サービスを購入します。サービスを購入するために、連邦政府より補助金が与えられます。サービスが円滑に提供されるように管理するのもケアマネージャーの 仕事ですが、その他にクライエントの精神的心理的なサポートをしたり、家族介護者の支援、あるいは生活全般についての相談にのったり、必要に応じてはクラ イエントを擁護するアドボカシー(代弁)を提供することも、ケアマネージャーの大切な役割です。他に頼れる家族がいない、あるいはみなそれぞれの仕事や家 族のことで手いっぱいだ、というような人にとって、ケアマネージャーは第二の家族とも、自宅生活を維持するうえでのキーパーソンだともいえます。

 パッケージを取得するためには、特別なアセスメントチームによるアセスメントを受ける必要があります。これは高齢者施設に入所する際にも必要なの ですが、アセスメントを受け、自分に必要なサービスのレベルを認定してもらうとともに、適切な施設あるいはパッケージを提供している組織を紹介してもらう ことができます。アセスメントによりパッケージを取得する資格があると認定された場合には、アセスメントチームによって順番待ちのリストに載せてもらい、 空きのあるパッケージ提供者から連絡がくるのを待ちます。その後、個々のパッケージ提供者からの訪問があり、パッケージについての説明を受けたあと、承諾 すれば契約、サービスの開始となります。

 アセスメントは無料ですが、サービスには一定の使用料を負担するように求められることがあります。政府は基本の年金取得者に関しては年金の 17.5%以上のサービス料は課されないという最低基準を設けています。詳しい料金等につきましては、個々のパッケージ提供者にご確認ください。

 パッケージには、介護(入浴など)、家事(掃除、洗濯、調理など)、配食、移動や付き添い、レスパイト(一時休暇)、デイセンターへの参加、庭の手入れ、家のメンテナンスなどのサービスが含まれます。

 アセスメントを受けたいとお考えの人は、ご自宅の地域にあるアセスメントチームに、ご自分ででも、かかりつけのGPを通してでも、問い合わせをす ることができます。アセスメントチームを見つけるために、政府ウェブサイトにありますアセスメントチーム検索エンジンをご利用ください(郵便番号を入力す れば電話番号が出てくるようになっています) 。
http://www.agedcareaustralia.gov.au/internet/agedcare/publishing.nsf/content/ACAT%20finder

 また、問い合わせの際に通訳の必要なことを伝えると、電話やアセスメントの時に通訳を手配してもらえるのが通常です。

 また詳細につきましては、連邦政府のウェブサイトも合わせてご照覧ください。
http://www.agedcareaustralia.gov.au/internet/agedcare/publishing.nsf/content/CACP-1

 介護・看護士・理学療法士・ソーシャルワーカーなど、高齢者ケアーにかかわっている方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。今後、こういう方たちとネットワークを持ち、日系高齢者の方たちのお役にたてる方向を探っていきたいと思います。

連絡先: みどり This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it. 0418-540-865