3月9日、朝8時の集合時間前には、すでに坂本さんが神輿を運んで来てくれていた。
又、伊藤さん達も担ぎ手の受付準備のため早めに来ていた。もち ろん、JCVだけでなく、他の団体の参加者も沢山集まっていた。今年はいつもの年と違いグループの2番目にスタート。パレードの途中、4回ほど止まってメ キシカンウェイブみたいな事をすると聞いていたので、今年こそ、参加者全員に担いで貰う事が出来ると思っていたが、それをしたのがパレードが始まる前だけ で、結局は交替出来ないまま、最後まで行く事になってしまった。来年は私に助手を付け、パレード中にも担ぎ手の交代をする事にしたいと思っている。太鼓 は、フロートの手配が出来ず出ないと聞いたので、坂本さんに頼んで、御囃子という事で参加を頼み祭りを盛り上げて貰った。
昨年の猛暑の事を思えば、暑くなく寒くなく気温的には最高だったが、いつもながら、スタートの11時まで、沢山待たされ、疲れた人もいたのではと 思う。毎年、準備で大変な事は担ぎ手の募集と当日の担ぎ手の身長の差が問題になる。それでも、結果的には数多くの人が参加してくれ、その身長の差もお互い がカバーし合って、スワンストン通りを最後まで掛け声を張り上げ、担ぎ通してくれた。
さて、毎年、個人的に、祭りの道具を一つ作る事にしている。昨年は纏(まとい)を作り、その纏が、今年も祭りを賑やかにしてくれたと思っている。 今年の作品は、一組の拍子木、全て廃材や有り合わせの材料で作った。まず、木材だが、いい音を出すには硬い木がいいのだが、神輿の担ぎ棒のあまりの松の木 を適当の大きさに切り、紐を通す穴をあけて、カンナをかけて、紙やすりで表面を滑らかにした後、黒のペンキを塗って仕上げた。作業の中で一番大変だったの は、紅白の紐を作る事だった。昔、荒縄を作った事があったので、試しに布を縒ってみたら何とかなりそうだったので始める事にした。この紅白の布も古い担ぎ 棒に巻かれていたものを女房が取って置いたのが役立ち、それを使ったが、作り始めて見ると1メートル以上の長さになる紐を縒るのは意外と苦戦だった。日本 だったら、材料も道具も全部揃うけれどメルボルンにいたら、そういう訳には行かない。全て自分でやらなくてはならないのだ。拍子木が出来上がり、叩いてみ たら意外といい音だったので大満足だった。
以前、作った「WA SHOIわっしょい」のプラカード2本とJCV旗を取り付けた旗棒2本など、少しずつ手作りの祭りの道具が揃ってきた。
最後に主催者側との連絡及びリハーサルへの参加など一番大変な役目をしてくれたケイさん、担ぎ手の募集に領事館や日本人学校などに依頼し、頑張っ てくれたデービス会長と矢部さん、神輿の受け取りから、当日、会場までの運搬と返却をしてくれた坂本さんや朝食代わりの美味しいパンの手配をしてくれたハ イドさん、それから、担ぎ手への連絡とハッピや鉢巻などの祭り衣装を管理してくれた伊藤さんなど、今年も沢山の関係各位の協力で無事にパレードが終わっ た。神輿のリーダーとし、皆を代表してお礼を述べ、フェスティバルのレポートとしたい。
「ありがとう、パレードに参加した関係者の皆さん」
祭り歴56年 自称お祭り大好き人間 永嶋 実 記